こんにちは、ソムリエールYURIです。
今回は、チーズプロフェッショナル資格試験の学校で学んだ青カビタイプ・ブルーチーズの話を書いてみようと思います。
ブルーチーズも奥が深い。
★ も く じ ★
青カビタイプ・ブルーチーズって何?

そもそも、ブルーチーズとか青カビタイプのチーズとかなんでそう呼ばれてるのでしょうか?
それは、見た目からも分かるように…青カビがチーズに繁殖してるからです。
まぁそれくらい皆さんご存知ですよね。(笑)
最近では、白カビに覆われたブルーチーズも売っていますよね。白カビタイプのまろやかな味わいに、青カビのピリッとした味わいが入ってとっても美味しいですよ。ソムリエールYURIは、青カビオンリーよりこっちの方が好きです★(最後にご紹介しますね。)
青カビタイプ・ブルーチーズの銘柄 (フランス編)
青カビタイプのチーズ・ブルーチーズは、世界各国で造られています。今回は、私が勉強したフランス産の銘柄を見ていきたいと思います。
今回は、A.O.P. チーズだけを載せますね。
- ロックフォール
- ブルー・デ・コース
- フルム・ダンベール
- フルム・ド・モンブリゾン
- ブルー・ドーヴェルニュ
- ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ
- ブルー・ド・ジェックス・オージュラ
フランスのA.O.P.青カビタイプは、7種類でした。
ロックフォールは有名ですが、他のチーズは見た事も聞いた事もない方がほとんどだと思います。最近フルム・ダンベールは、日本でもよく見かけますよね。
ちなみに、日本では『世界三大ブルーチーズ』という言葉があります。
これは、日本で言われてるいるだけなのですが…銘柄は
ロックフォール (フランス)
ゴルゴンゾーラ (イタリア)
スティルトン (イギリス)
この3つです。上の2つに比べて、スティルトンにはなじみがない方多いと思いますが、青カビチーズにしては少し硬めで美味しいです。
青カビタイプのチーズも種類が色々ありますねー。今回、チーズプロフェッショナル資格試験の学校で食べ比べしても難しかったです。
さて、青カビタイプのチーズ・ブルーチーズはどのように青カビを繁殖しているのでしょうか。
ここで、どんな感じで造られているのか簡単に説明しますね。
青カビタイプ・ブルーチーズの造り方 (基本編)

難しい事は置いておいて、こんな感じなんだーってのを感じて下さい。
- 乳(牛乳、羊乳、山羊乳など)を固める。
- 固まった乳(通称:カード)をカットし、激しめに撹拌する。
- カットした物を、バラバラにした状態で型詰め。※プレスしない!!!
- 反転を繰り返しながら、チーズを成形。
- 塩を外側から擦り込み、内部へと浸透させる。
- 金串を縦に突き刺し、空気孔を開けて熟成させる。
- 程良く熟成したら、空気孔をふさぎ更に熟成させる。
こんなイメージです。
青カビはどのタイミングで繁殖させているのかと言うと、実は①の〔乳を固める〕所で青カビ菌を混ぜています。なので、青カビタイプのチーズは最初からなるべくして青カビチーズになっていたのです。
ここで、他のタイプのチーズと大きく違う所が4つあります。
- プレスをしない
- 塩の添加方法
- 空気孔を開ける
- 熟成場所が決まっている所がある
詳しく見ていきましょう。
①プレスをしない。

普通のチーズは、水分を抜くためにプレスをします。水分がほとんどないタイプのチーズがハードタイプのチーズになります。
ブルーチーズを切った事ある方はお分かりだと思いますが、凄くもろくて崩れやすいのです。これは、プレスをしていないからですね。
②塩の添加方法

塩を入れるタイミングが2通りあります。1つ目は、成形前にいれてしまう方法。2つ目は、成形後に塩を擦り込む方法です。
基本的には、2つ目の成形後に塩を擦り込む方が多いようです。

ずっとなんでかなーって思ってました。でも、チーズプロフェッショナル資格試験の学校でその疑問は解決しました!!!
なぜかと言うと…『青カビ菌以外の菌を死滅させるため』でした。
ほぉー!!!納得!しかも、他のチーズは大体塩分が2%くらいなのですが。青カビチーズはなんと、4.5%前後も塩分があるそうです!
そりゃ、しょっぱい訳だ。でも、このしょっぱいには青カビ以外寄せ付けないという殺菌効果がある訳です。なので、しょうがないですね。
③空気孔を開ける

これは、とっても大切な事!実は、青カビ菌は好気性(酸素を必要とする菌)なのです。
という事は、空気孔がないと、上手に青カビが繁殖しないって事ですね。ちなみに、①の「プレスをしない」もこれに繋がってきます。より青カビに酸素を送る事が出来るよな仕組みになっているのです。
青カビタイプに縦に筋が入っているもの見た事ありませんか?それは、金串でグサッと空気孔を開けているサインなのです。
もし今度ブルーチーズを買う機会があったら、探してみて下さい★
④熟成場所が決まっている所がある

ロックフォールやブルー・デ・コースは、指定された洞窟で一定期間熟成をさせなければいけない決まりがあります。フルム・ド・モンブリゾンは、針葉樹の木の上でコロコロ転がしながら熟成しなければいけないという決まりもあります。それぞれの青カビチーズによって規定が様々ですが、有名なのはやりロックフォールの洞窟熟成ですね。
ロックフォールは、アヴェロン県ロックフォール・シュール・スールゾン村の洞窟じゃなきゃ熟成してはいけません!!これだけ造る場所が限定されていると、どんなチーズかなって気になって食べたくなりますよね。
なぜ洞窟で熟成なのかというと…温度湿度が一年中一定だからだそうです。「フルリーヌ」という石灰岩の亀裂から吹き込む涼しく湿った空気のお陰で大体、温度9度・湿度95%だそうです。さすが、洞窟湿度が凄ですね。。。
フランスの青カビタイプ・ブルーチーズの食べ比べ

見えずらいかもしれないですが…これ、全部違う青カビタイプ・ブルーチーズなんです!
遠くからみたら、ほぼ同じですよね。これを、テストでは銘柄を当てる事はないそうですが「これかな?」と思ってテイスティングコメントを書かなきゃいけないので。。。ホントに大変!!
では、今回はロックフォールとブルー・デ・コースというチーズを紹介します。
ロックフォール (フランス産) 青カビタイプ

見た目の特徴は、表皮がない事。青カビが大きい事。羊乳なので全体のチーズがやや白っぽい事です。
味わいは、もうめちゃくちゃしょっぱい!!ちょこっと食べただけで、インパクト大です。青カビのピリッとした味わいも印象的ですね。
あと、羊乳で出来ているので少しコッテリとしていてコクのブルーチーズです。時間が経つと少し油も浮いてきていて様に私は感じました。
ブルー・デ・コース (フランス産) 青カビタイプ

ブルー・デ・コースは、ロックフォールの牛乳版と言われています。
見た目の特徴は、ほとんどロックフォールと一緒です。色合いが、少しだけ牛乳から出来ているので黄色いかなって感じです。(でも、これも見比べたから分かるだけで一種類だけ出されたら分からなそうです。。。)
味わいは、これまたしょっぱい。ロックフォールと同じくらいしょっぱいです。しかし、口どけがロックフォールと比べるとねっとりとゆっくり溶ける感じでした。ロックフォールは、油が多いのでサラッと溶けるって感じでした。
ソムリエールYURIのおすすめ★ フルム・ダンベール (フランス産) 青カビタイプ

味わいが上2つと比べると断然まろやか!!!(笑)
青カビタイプのチーズなのに、程良い塩気(といっても、他のチーズよりはしょっぱいですよ)。青カビのピリッとした味わいがしっかり感じられて、唯一パクパクと食べられたブルーチーズでした。
実は、フルム・ダンベールは日本人に凄く人気があるらしいです!私もやっぱり、これくらいの塩気が限界だな…(笑)
青カビタイプ・ブルーチーズに合う 【ワインとおつまみ】

これだけ、しょっぱいと何かに合わせないと食べられませんよね。
ここで、ソムリエールYURIのブルーチーズと食べるおすすめ食べ合わせをご紹介します。
- ハチミツ
- ドライフルーツ(イチジク、干しブドウ)
- クルミ
- ワイン【ソーテルヌ】甘口ワイン
この4つです。とにかく、しょっぱいから甘みを口に足してバランスよくする!
みたいな感じです。王道なマリアージュですが、やっぱりこれらが一番合いますね。
ソーテルヌというワインは、フランス・ボルドー産の白の甘口ワインです。特に、ソーテルヌじゃなきゃダメという訳ではないですので甘口のなるべくだったらトロトロしたハチミツみたいな甘口ワインとブルーチーズを合わせるのがおすすめです!
ぜひ、美味しくマリアージュしてみてください。
最後に…

ブルーチーズの食べ比べの授業で 実は、7種類もブルーチーズのばっかり食べました。
食べてて口がマヒしてきて、しょっぱいはずなのに「これはまろやかだなぁー。」とか変なコメントを書いていて…なんか最後の方はよく分からなかったです。(笑)
でも、2種類でもブルーチーズを食べ比べた事が無かったので凄く勉強になりました。そして、自分の好みのブルーチーズも見つける事が出来ました。
ソムリエールYURIの一番好きだったブルーチーズは、白カビに覆われ中が青カビチーズの『ブレス・ブルー』でした。
このチーズは、白カビタイプと青カビタイプの良いとこ取りって感じで美味しかったです★上の写真がブレス・ブルーです。もし、見つけたら食べてみて下さい。青カビの塩気が不得意な方にはとってもおすすめのチーズです。
青カビタイプ・ブルーチーズ、ぜひ甘口ワインと一緒に食べてみて下さい。