フランス・ジュラ地方のワインの特徴は?チーズ「モンドール」と合わせてみた感想

フランス・ジュラ地方のワインとチーズ「モンドール」のマリアージュ




ジュラ地方ワインは、土着品種の美味しいものが多め!

フランスのワインの中でも、特殊なワインが造られるジュラ地方。

そして美味しいワインもいっぱい。

とはいっても、

  • ジュラ地方のワインってどんなもの?
  • ワインショップで見たことない
  • そもそもジュラ地方ってどこ?
  • 個性があるってどんな特徴があるの?
  • 飲みたいけど、どこで売ってるの?

など、飲んでみたいけどジュラ地方のワインを詳しく知らない方は多いと思います。

この記事では、

  • ジュラ地方のワインの特徴
  • ジュラ地方で有名なチーズ
  • ジュラ地方のワインとモンドールのマリアージュ
  • おすすめワイン

などを、ソムリエでありチーズプロフェッショナル(チーズのプロ資格)を持つYURIが徹底的にご紹介していきます。

先にチーズ「モン・ドール」と合わせて美味しいマリアージュを読みたい方は、『フランス・ジュラ地方のシャルドネとチーズ「モン・ドール」を合わせてみた!』からチェックしてみてくださいね。

これを読めば、ジュラ地方のワインを飲みたくなること間違いなしですよ!

\感動したシャルドネ、これは凄い!/

フランス・ジュラ地方ワインの特徴は?

ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル レトワール シャルドネ・トラディション

フランス・ジュラ地方のワインといっても、ボルドーやブルゴーニュなどのワインと比べると知名度が低いです。

そして、味わいやどんなものなのか知らない方もいると思います。

まずは、ジュラ地方のワインの特徴を見ていきましょう。

そもそもジュラ地方ってどこ?

ジュラ地方地図

フランス・ジュラ地方と聞いて、どこか分かりますか?

地図でいうと、上の画像の丸の部分。

フランスの東側、ジュラ山脈の西側に位置する山の多い場所です。

上の画像を見ると、すぐ隣にスイスがあるのが分かりますね。

ワイン関係の本や雑誌などでは、ジュラ地方として取り上げられることが多いですが、フランシュ=コンテ地域のジュラ県になります。

スイスとの国境に、ジュラ山脈があるのでジュラ地方ともいわれています。

この記事では、ジュラ地方と呼んでいきます。

ソムリエールYURI
どちらでも間違えではありませんので、安心してくださいね。

生産ブドウ品種は、白ワイン用が7割以上!

ジュラ地方では、ワイン生産量の約7割以上が白ワインになります。

ほか、赤ワインは約2割。ロゼワインは、1割にも満たない生産量です。

とくに、ジュラ地方で有名なブドウ品種は【Savagninサヴァニャン】。

このブドウ品種は、オーストリアまたはハンガリーから入ってきたと言われています。

ほかの地域ではあまり造られていない、ジュラ地方の土着品種です。

また、シャルドネも多く造られていて、別名で「ムロン・ダルボワ」と呼ばれることもあります。

サヴァニャンから造られる特殊なワインは?

白ワイングラス

ジュラ地方では、特殊なワインを2種類造っています。

✔ヴァン・ジョーヌ

ジュラ地方では、「ヴァン・ジョーヌ」という特殊な造り方があります。

色合いが、黄色に近いので「黄色ワイン」ともいわれています。

特徴として、ヘーゼルナッツやアーモンド、キャラメル、ハチミツのような香ばしさや複雑さを楽しめます。

✔ヴァン・ド・パイユ

ブドウを陰干しして造られる甘口ワインです。

パイユとは、藁(ワラ)と言う意味。

藁の上でブドウを乾燥させていたことから、この名前が付きました。

ヴァン・ド・パイユは、サヴァニャンだけではなく、シャルドネ、プールサール、トゥルソーの4種類のブドウ品種から認められています。

ソムリエールYURI
ヴァン・ド・パイユは、サヴァニャンだけで造られているわけではないので、サヴァニャン主体のワインを買いたい時は注意しましょう!

ビオロジック(自然派)での生産が多い!

テントウ虫ビオ

ワインの生産地としては、フランス最小です。

が、約15%がビオロジック栽培を実施しています。

ソムリエールYURI
ビオロジックとは、化学肥料や遺伝子組み換えなどをしていないブドウから造られる有機ワインのこと。オーガニックワインとも呼ばれるよ。

生産面積が少なく、生産量の少ない中で、約15%がビオロジック栽培というのは凄いこと。

また、A.O.C.に認められるワインはビオロジック栽培を実践しているところが多いですよ。

赤ワインだと、プールサール種が多い!

赤ワインの入ったワイングラス

ジュラ地方では、

  • プールサール
  • トゥルソー
  • ピノ・ノワール

などが、赤ワイン用のブドウ品種として多く造られています。

その中でも「プールサール」は、ジュラ地方が原産のブドウ品種です。

プールサールは、穏やかな味わいながら、しっかりとした個性も持ち合わせた美味しいワインを造ります。

ベリー系の果実味と旨味とタンニンのバランスがよく、複雑さも楽しめるワインが多いですよ。

\プールサール100%の赤ワイン/

フランス・ジュラ地方はどんな所?有名なものは?

ジュラ地方

ジュラ地方で有名なものといえば、チーズです。

ジュラ地方で造られるA.O.P.チーズは、

  • コンテ
  • モン・ドール
  • モルビエ
  • ブルー・ド・ジェックス・オー・ジュラ

上記の4種類です。

ジュラ地方は、山岳地帯なので冬場は雪が多くチーズが造れません。

なので、長期熟成の出来るハードタイプのチーズが多く造られます。

「山のチーズ」とも呼ばれ、春から秋にかけてチーズを造り、冬の保存食として食べられることが特徴的です。

ジュラ地方の一番有名なチーズ「コンテ」をもっと知りたい方は、⇩こちらをご覧ください。

コンテチーズの食べ方を知って、もっと美味しく食べちゃおう!

コンテチーズの食べ方

フランス・ジュラ地方のシャルドネとチーズ「モン・ドール」を合わせてみた!

ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル レトワール シャルドネ・トラディションとモンドール

今回飲んだワインは、こちら⇩

  • ワイン名: レトワール・シャルドネ・トラディション
  • 造り手:ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル
  • ヴィンテージ:2016年
  • ブドウ品種:シャルドネ100%
  • 特徴:ジュラ地方の伝統的な白ワイン「ヴァン・ジョーヌ」と同じように、目減り分を継ぎ足しせずに、熟成さる造り方をしている。

今回は、有名なソムリエでありワインディレクターの田邉公一さんに選んでいただいたワインとご紹介していただいたマリアージュを実践してみました。

テイスティング&マリアージュコメント
  • ワインのみで飲むと、ハチミツや焼き立てのパン、熟したリンゴ、黄色い花など様々な香りと味わいを感じることができる。
  • 濃厚でまろやか、余韻の長い美味しいワイン。
  • やや貴腐ワインを彷彿とさせる、複雑な香りも感じられる。
  • モン・ドールと合わせることで、ミルキーなコクがワインにプラスされ、さらにまろやかになります。
  • チーズの木の香りとワインの複雑な香りが、絶妙なバランス。
  • 酸味が少なくミルキー感もあるワインなので、チーズのミルキー感が合わせることでさらに増します。

とにかく、何度も口に運びたくなるマリアージュでした。

ワイン単体、モン・ドール単体でも美味しいのですが、合わさることでワインのコクとチーズの旨味の調和が最高でした。

チーズ「モン・ドール」について詳しく知りたい方は、⇩こちらの記事もご覧ください。

【季節限定チーズ】濃厚とろとろチーズ『モン・ドール』年に一度は、食べよう!

フランス・ジュラ地方のおすすめワイン3選

ワインショップに並ぶボトル

フランス・ジュラ地方のワインの魅力を色々ご紹介してきましたが、自分で選ぶのは難しいですよね。

しかも、ジュラ地方のワインはワインショップにどこにでもあるわけではありません。

見付けるのが意外に困難です。

そこで、ソムリエがおすすめする美味しいジュラ地方のワインを3種類ご紹介します。

ぜひ、飲んでみてくださいね。

ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル「レトワール・シャルドネ・トラディション」

上記のマリアージュで紹介した、チーズ「モン・ドール」と合わせたワインです。

シャルドネ100%ですが、一般的なシャルドネの域を越した素晴らしいワインでした。

柑橘系の酸味はなく、芳醇で香ばしさも感じ、濃厚で旨味が詰まった一本。

シャルドネ好きに、ブドウ品種を隠して飲ませたら驚くと思いますよ!

\サヴァニャン100%のものもあるよ!/

ピエール ラモット「シャトー・シャロン・ヴァン・ジョーヌ」

ジュラ地方の伝統的なワイン「ヴァン・ジョーヌ」

五大白ワインとも呼ばれる銘柄の一つです。

特殊な製法で造るため、ナッツ、クルミ、スパイス、ドライフルーツなど様々な香りと味わいが複雑に混ざり合います。

サヴァニャンから造られる、余韻の長い複雑な味わいをぜひ一度試してみてください。

チーズ「コンテ」との相性抜群ですよ!

五大白ワインって何?気になる方は、⇩こちらの記事もご覧ください。

『五大白ワイン』とは?極上の白ワインを飲んでみよう。

五大白ワインとは?

ドメーヌ・クールベ「コート・デュ・ジュラ・プールサール」

ジュラ地方原産のブドウ品種「プールサール」を100%で造り上げられた赤ワイン。

造り手であるドメーヌ・クルーべは、ヴァン・ジョーヌで有名な生産者です。

ビオロジック栽培よりも難しいとされる、ビオディナミ栽培を成功させ、ブドウ品種の味わいワイを最大限生かすワインを造り上げます。

このワインも、プールサールの魅力でもあるベリー系の果実味とほどよいタンニン、そしてプールサールらしい個性を存分に楽しめますよ。

レストランやワインショップでは、滅多にお目にかかれないプールサール100%のワインをぜひ堪能してみてください。

フランス・ジュラ地方のワインは、白ワイン上級者を驚かせるものが多い!

白ワイングラス

フランス・ジュラ地方のワインは、生産量も少なく、国内消費が多いため、日本にあまり入ってきません。

しかし、ワインが好きなら一度はこの美味しさを楽しんで欲しいと思います。

ジュラ地方のワインだからこその美味しさ、複雑さ、ブドウ品種の個性。

とても面白いワインが多いです。

ぜひ、ジュラ地方のワインと、せっかくならジュラ地方のチーズをマリアージュさせてみてくださいね。

新しい美味しいマリアージュに出会えるかもしれませんよ。

白ワインに合うおつまみに迷ったら、⇩こちらの記事もご覧くださいね。

白ワインに合うおつまみをタイプ別ランキングでご紹介!ソムリエが合うワインもアドバイス。

白ワインに合うおつまみランキング