フランス産ブルーチーズは、種類によって味わいが全然違う!
ブルーチーズはどれも同じような味わいと思っている方、多いのではないでしょうか。
ブルーチーズとは、青カビが繁殖している少しクセのある、濃厚なナチュラルチーズです。
しかし、作り方や産地などによって味わいが大きく変わるんですよ。
わたしもチーズの勉強するまでは、どれも同じような味わいだと思っていました。
でも、違いがあって、奥が深いんです!
この記事では、
- 青カビタイプ・ブルーチーズってなに?
- 作り方
- フランス産青カビタイプ・ブルーチーズの種類
- フランス産ブルーチーズの食べ比べ
- 相性のいいおつまみ
などを、チーズプロフェッショナル(チーズの資格)とソムリエを持つYURIが詳しくご紹介していきます。
青カビタイプ・ブルーチーズを、もっと好きになりましょう。
ナチュラルチーズのおいしい食べ方を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【チーズの食べ方】美味しく食べる為に、知っておきたい5つのコツ
★ も く じ ★
青カビタイプ・ブルーチーズってなに?
そもそも、「ブルーチーズ」や「青カビタイプのチーズ」などと呼ばれてるのでしょうか?
それは、見た目からも分かるように青カビがチーズに繁殖してるからです。
最近では、白カビに覆われたブルーチーズも売っています。
白カビタイプのまろやかな味わいに、青カビのピリッとした味わいが入ってとってもおいしいですよ。
青カビタイプ・ブルーチーズの銘柄 (フランス編)
青カビタイプのチーズ・ブルーチーズは、世界各国で造られています。
以下では、フランス産のA.O.P. チーズだけを載せますね。
- ロックフォール
- ブルー・デ・コース
- フルム・ダンベール
- フルム・ド・モンブリゾン
- ブルー・ドーヴェルニュ
- ブルー・デュ・ヴェルコール・サスナージュ
- ブルー・ド・ジェックス・オージュラ
フランスのA.O.P.青カビタイプは、7種類でした。
ロックフォールは有名ですが、他のチーズは見た事も聞いた事もない方が多いのではないでしょうか。
最近では、「フルム・ダンベール」は日本のお店でもよく見かけます。
ちなみに、日本では『世界三大ブルーチーズ』という言葉があります。
これは、日本で言われてるいるだけなのですが、銘柄は
- ロックフォール (フランス)
- ゴルゴンゾーラ (イタリア)
- スティルトン (イギリス)
の3つです。
上の2つに比べて、スティルトンはなじみがない方多いと思いますが、青カビチーズにしては少し硬めでおいしいです。
青カビタイプのチーズも世界各国でさまざまな種類があります。
チーズプロフェッショナル資格試験の学校で食べ比べしたときも、とても難しかったです。
イギリス産ブルーチーズ「スティルトン」のことをもっと知りたい方は、こちらの↓記事をご覧ください。
イギリス産【スティルトンチーズ】は、世界三大ブルーチーズの一つです!
青カビタイプ・ブルーチーズの作り方 (基本編)
さて、青カビタイプのチーズ・ブルーチーズはどのように青カビを繁殖しているのでしょうか。
以下で、どんな感じで作られているのか簡単に説明しますね。
難しい事は置いておいて、こんな感じなんだを感じて下さい。
- 乳(牛乳、羊乳、山羊乳など)を固める。
- 固まった乳(通称:カード)をカットし、激しめに撹拌する。
- カットした物を、バラバラにした状態で型詰め。※プレスしない!!!
- 反転を繰り返しながら、チーズを成形。
- 塩を外側から擦り込み、内部へと浸透させる。
- 金串を縦に突き刺し、空気孔を開けて熟成させる。
- 程良く熟成したら、空気孔をふさぎ更に熟成させる。
こんなイメージです。
青カビはどのタイミングで繁殖させているのかと言うと、実は①の〔乳を固める〕所で青カビ菌を混ぜています。
したがって、青カビタイプのチーズは最初からなるべくして青カビチーズになっていたのです。
ここで、他のタイプのチーズと大きく違う所が4つあります。
- プレスをしない
- 塩の添加方法
- 空気孔を開ける
- 熟成場所が決まっている所がある
詳しく見ていきましょう。
①プレスをしない。
普通のチーズは、水分を抜くためにプレスをします。水分がほとんどないタイプのチーズがハードタイプのチーズになります。
ブルーチーズを切った事ある方はお分かりだと思いますが、凄くもろくて崩れやすいのです。これは、プレスをしていないからですね。
②塩の添加方法
塩を入れるタイミングが2通りあります。
- 成形前にいれてしまう方法
- 成形後に塩を擦り込む方法
基本的には、2つ目の成形後に塩を擦り込む方が多いようです。
そのように感じる方もいると思います。
実は、青カビ菌以外の菌を死滅させるために塩分を多くしているのです。
他のチーズは大体塩分が2%くらいなのですが、青カビチーズはなんと、4.5%前後も塩分があります。
そりゃ、しょっぱい訳ですよね。
でも、この塩味の辛さには青カビ以外寄せ付けない、という殺菌効果がある訳です。
③空気孔を開ける
ブルーチーズには、空気孔を開けるという作業があります。
なぜかというと、青カビ菌は好気性(酸素を必要とする菌)だからです。
空気孔がないと、上手に青カビが繁殖しないって事なんですね。
ちなみに、①の「プレスをしない」もこれに繋がってきます。
より青カビに酸素を送る事が出来るように、密度をあげない仕組みになっているのです。
青カビタイプに縦に筋が入っているもの見た事ありませんか?それは、金串でグサッと空気孔を開けているサインなんですよ。
もし今度ブルーチーズを買う機会があったら、探してみて下さい。
④熟成場所が決まっている所がある
ロックフォールやブルー・デ・コースは、指定された洞窟で一定期間熟成をさせなければいけないという決まりがあります。
フルム・ド・モンブリゾンは、針葉樹の木の上でコロコロ転がしながら熟成しなければいけないという決まりもあります。
それぞれの青カビチーズによって規定が様々ですが、有名なのはやりロックフォールの洞窟熟成ですね。
ロックフォールは、アヴェロン県ロックフォール・シュール・スールゾン村の洞窟じゃなきゃ熟成してはいけません。
これだけ作る場所が限定されていると、どんなチーズかなって気になって食べたくなりますよね。
なぜ洞窟で熟成なのかというと、温度湿度が一年中一定だからだそうです。
「フルリーヌ」という石灰岩の亀裂から吹き込む涼しく湿った空気のお陰で大体、温度9度・湿度95%だそうですよ。
フランスの青カビタイプ・ブルーチーズの食べ比べ
見えずらいですが、上記のチーズは全部違う青カビタイプ・ブルーチーズです。
遠くからみたら、ほぼ同じですよね。
ちなみに、チーズプロフェッショナルの試験は、このようなチーズの食べ比べテイスティングがあり、コメントを書いてクリアしなければいけないのです。
以下では、ロックフォールとブルー・デ・コース、フルム・ダンベールという3種類のブルーチーズを詳しく紹介します。
チーズプロフェッショナルの資格が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
ロックフォール (フランス産) 青カビタイプ
ロックフォールとは、世界三大ブルーチーズにもなっている、高級で有名なナチュラルチーズです。
見た目は、
- 表皮がない
- 青カビが大きい
- 羊乳なので全体のチーズがやや白っぽい
が特徴的です。
味わいは、塩味が強く少し食べただけで、インパクト大。
青カビのピリッとした味わいも強く、印象的な味わいですね。
また、羊乳で出来ているので少しコッテリとしていてコクのブルーチーズですよ。
時間が経つと少し油も浮いてきていて様に私は感じました。
ブルー・デ・コース (フランス産) 青カビタイプ
ブルー・デ・コースは、ロックフォールの牛乳版と言われています。
見た目の特徴は、ほとんどロックフォールと一緒。
しかし牛乳から作られているので色合いが、少しだけ黄色が強いかなという感じです。
味わいは、これまた塩味が濃い。
ロックフォールと同じくらいしょっぱいです。
しかし、口どけがロックフォールと比べるとねっとりとゆっくり溶ける感じ。
ロックフォールは、油が多いのでサラッと溶けるって感じなので、舌触りや溶け方が少し違いますね。
チーズプロ一押し!フルム・ダンベール (フランス産) 青カビタイプ
ロックフォールや、ブルー・デ・コースと比べると、比べると味わいが断然まろやか!
ほかのチーズとは塩分が高く感じますが、青カビタイプのチーズの中では、程良い塩気で食べやすく。
青カビのピリッとした味わいがしっかり感じられて、唯一何口もと食べたくなるブルーチーズです。
実は、フルム・ダンベールは日本人に凄く人気があるらしいですよ!
チーズプロYURIの一押しでもある、フルム・ダンベールをもっと知りたい方は、こちらの↓記事をご覧ください。
青カビタイプ・ブルーチーズに合う 【ワインとおつまみ】
塩味が強いブルーチーズは、そのままで食べると少ししか食べられません。
以下では、チーズプロYURIのブルーチーズと食べるおすすめ食べ合わせをご紹介します。
ブルーチーズとおすすめマリアージュは、
- ハチミツ
- ドライフルーツ(イチジク、干しブドウ)
- クルミ
- 貴腐ワイン・甘口ワイン(ソーテルヌ)
この4つです。
とにかく、しょっぱいから甘みを口に足してバランスよくするがポイント!
王道なマリアージュですが、やっぱりこれらが一番合いますね。
ソーテルヌというワインは、フランス・ボルドー産の白の甘口ワインです。
特に、ソーテルヌじゃなきゃダメという訳ではないですので甘口のなるべくだったらトロトロしたハチミツみたいな甘口ワインとブルーチーズを合わせるのがおすすめですよ。
ぜひ、おいしくマリアージュしてみてください。
貴腐ワインや甘口ワインを詳しく知りたい方は、こちらの↓記事をご覧くださいね。
【甘口ワイン決定版】ソムリエがこれは飲んでほしいおすすめ25選
フランス産のブルーチーズの種類を食べ比べて、好みを探そう。
チーズプロフェッショナルの資格試験の学校では、ブルーチーズの食べ比べので7種類もブルーチーズのばっかり食べたことがありました。
細かな違いを見付けるのが大変でしたが、とても勉強になりましたよ。
いろいろな種類を食べ比べることで、味わいの濃厚さや塩味の強さ、まろやかさなど、さまざまな発見があり面白いです。
そして世界各国で作られるブルーチーズは、現在日本でもおいしいものが作られているんです。
また、白カビに覆われ中が青カビチーズの「ブレス・ブルー」という商品もあります。
上記の画像がブレス・ブルーです。
白カビタイプと青カビタイプの良いとこ取りという感じで、おいしいんですよ。
マイルドなブルーチーズが食べたいときは、食べてみて下さいね。青カビの塩気が不得意な方にはとってもおすすめのチーズです。
そして、青カビタイプ・ブルーチーズ、ぜひ甘口ワインと一緒に食べてみて下さい。
チーズプロYURIのお気に入りである、日本で作られるブルーチーズとってもおいしいです。
気になる方は、こちらの↓記事もご覧ください。
アトリエ・ド・フロマージュのブルーチーズが、外国産にも負けないおいしさでビックリした!