実は奥が深い、エレガントさとパワフルさを味わえるフレデリック・マニャン!
ブルゴーニュ好きの方は、紫のキャップシールと太陽のようなマークがラベルに書いてある事で覚えている方もいるでしょう。
ブルゴーニュワインにしては、比較的値段も手ごろで、レストランなどでも見かける事が多い造り手です。
ここでは、
- フレデリック・マニャンってどんな造り手?
- フレデリック・マニャンの本拠地は?
- どんな製法?
- 2017年ブルゴーニュ ピノ・ノワールはどんな味?
- 合わせたマリアージュ食材は?
などを、ソムリエールYURIが詳しくご説明していきます。
では、エレガントでパワフルなFREDERIC MAGNIENの事を知ってみましょう。
\2,000円台でこのクオリティは凄い!/
★ も く じ ★
フレデリック・マニャンってどんな造り手?
今回は、購入したテラヴェールからFREDERIC MAGNIENの紹介を引用させていただきます。
ルロワのワイン造りを理想とし、ルロワから栽培責任者が移籍。ルロワ流の栽培法を導入している。濃厚から繊細 で伸びのあるブルゴーニュに変化を遂げた。
テラヴェール公式ホームページより引用
ルロワと言えば、フランス・ブルゴーニュ地方の造り手の中でトップ3には入るだろう有名な造り手です。
そのルロワから、栽培責任者がフレデリック・マニャンに移動したとなると凄い事です!
では、フレデリック・マニャンはどんな造り手なのか詳しく見ていきましょう。
フレデリック・マニャンの本拠地は、モレ・サンドニ
フランス・ブルゴーニュのワインには、必ず住所が書いてあります。
そこが、いわゆるその造り手の本拠地となります。
ブルゴーニュ地方の造り手は、色々な場所に畑を所有している事が多いですが、ワインボトルに書いてある住所を本拠点として色々な村にワイン造りをしに行きます。
フレデリック・マニャンの本拠地は、モレ・サンドニにあります。
ブルゴーニュ地方のコート・ド・ニュイ地区の真ん中あたりにあります。
有名なジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニィの間にある村です。
ジュヴレ・シャンベルタンやシャンボール・ミュジニィより少しコアな場所なので、コストパフォーマンスが高いワインに出会える確率が多いと私は思ってます。
フレデリック・マニャンの本拠地はモレ・サンドニですが、ジュヴレ・シャンベルタンやシャンボール・ミュジニィなど様々なワインも造っています。
\モレ・サンドニで造られる珍しい白ワイン/
では、フレデリック・マニャンはどんなワイナリーなのでしょうか?見ていきましょう。
フレデリック・マニャンは、ドメーヌに近いネゴシアン
フレデリック・マニャンは、ネゴシアンです。
ネゴシアンとは、ブドウ畑を自分では持たずにブドウやワインの入った樽などを買い付けて、自分で仕上げて販売する造り手の事を言います。
しかし、フレデリック・マニャンはネゴシアンと言ってもひと味違います。
ドメーヌ(自社畑で造るワイナリー)に近いネゴシアンなのです。
なぜひと味違うのかと言うと、
- 土地・土壌にこだわる
- ブドウの育て方を指導する
- 樹齢40年以上の樹を厳選する
- 有名ワイナリーしか使用していない樽で熟成する
などと、こだわりが凄いのです。
むしろ、ドメーヌでやればいいのにとも思えるくらいです。
そもそもネゴシアンは、出来たブドウやワインを買い付けて自分流にアレンジして販売するイメージです。
しかし、フレデリック・マニャンは出来上がったブドウの出来ではなく土地や土壌からどんなブドウが出来るかを考えて【畑】を買い付けるイメージのネゴシアンなのです。
なぜそんな事が出来るのかと言うと、下の引用を見て頂ければ一目瞭然です。
「フレデリック」は全てのブルゴーニュの畑、区画、そ して所有者まで知っている。毎日、畑に出て自分の 足で条件に合った畑を探し出し、所有者と交渉する ということを 10 年以上繰り返してきたから。 彼等は畑の所有者から委託を受け、栽培チームを 派遣し畑の管理を全て自分達で行う新しい形のネ ゴシアン。書類上はネゴシアンだがドメーヌと変わり ない仕事をしている。
テラヴェール公式ホームページより引用
フレデリック氏が、ここまでブルゴーニュの畑を熟知して信頼を得ているからこそできる特別なネゴシアンスタイルなんですね。
ちなみに、お父さんの代で所有していた自社畑は父である「ミシェル・マニャン」の名義で【ドメーヌ・ミッシェル・マニャン】としてリリースされていますよ。
こちらも、フレデリック・マニャン氏が5代目当主・運営を任せられています。
\ドメーヌとネゴシアン飲み比べもいいね!/
造り方は、自然派【ビオロジックとビオディナミ】の融合ワイン
フレデリック・マニャン氏は、土壌をとても大切にします。
以下の記事でも、土壌への愛が分かると思います。
土壌の表現に拘る「フレデリック」。100 年前に決め られた AOC には納得していないようで、その枠に収 まらない取組も始めた。 鉄の多い畑から造ったワインに「クール・ド・フェ―ル (鉄)」。石の多い畑を合わせたワインに「クール・ド・ロ ッシュ(石)」。そして、粘土の強い畑のワインには「ク ール・ダルジール(粘土)」と表記したのだ。
『ヴィラージュ・ワインを造る時、村の個性以上に各 畑の土壌の個性が勝ることがある。それならばその 事実を表記するべきだと思った』
畑を選ぶ時に土壌と樹齢を最も重視している。
『ヴィラージュ・ワインでも最低 40 年の樹齢が条件。 土壌の個性を表現するにはある程度根を伸ばす必 要もあるし、樹勢を落とし、樹中の水分量を減らさ なければならない』
テラヴェール公式ホームページより引用(※①も同様)
世界中が基準としているAOCに納得せずに、自分の足で畑に行きその土壌に合ったワインを造りたい。
これこそが、今必要とされているワインなのではないかと思いました。
ジュヴレ・シャンベルタンだから高い、ヴージョだから安い…そんなのおかしいですよね。
最近は、世界でワインブームが起きているという事もあり村の知名度が高いと値段も高くなるという不可解な事が多々あります。
フレデリック・マニャンは『村の個性以上に各 畑の土壌の個性が勝ることがある。※①』と言っています。
それでこそワインな気がします!
ここまで土壌にこだわっているのだから、もちろん農薬などを使用しないで自然帯でワインを造りたいと思います。
フレデリック・マニャンは、ビオロジックとビオディナミ製法をどちらも使いながらワイン造りをします。
自然派の製法は、細かく話すとめちゃくちゃ長くなるのでここでは簡単にサクッと説明しちゃいます。
ビオロジックとは、主に化学的に合成された肥料、農薬、遺伝子組み換え技術を利用しない。(一部使用可)
ビオディナミとは、地球・宇宙のエネルギーをワインに最大限取り入れることができるという考え方。(例えば、月の満ち欠けに合わせワイン造りを進めていく、畑や植物を注意深く観察して農薬を使わず病気などを治すなど)。
※自然派ワインの定義って本当はもっと深くて、ごちゃごちゃしてて難しいんです。ここでは、こんなイメージなんだな!を分かっておいて下さい。
簡単にまとめると、フレデリック・マニャンはブドウや土地に化学的な手を加えず、自然や地球と一緒に出来る最大限の努力をしてワイン造りをしているという事です。
農薬を使えば、簡単に虫は来なくなります。
しかし、虫をマイナスと捉えないのがフレデリック・マニャンの考え方と思っておきましょう。
また、フレデリック・マニャンはネゴシアンなので、フレデリック氏の栽培方法を学んでいる栽培チームがそれぞれの畑に派遣してブドウ造りをしています。
実に、フレデリック・マニャン面白い造り手です。
フレデリック・マニャンのブルゴーニュ ピノ・ノワールの味わいは?
今回のワインは、まだリリースされたばかりのワインです。(2020年に飲んでいるので熟成期間は、2年半くらい。)
では、フレデリック・マニャンが手掛ける【2017年 ブルゴーニュ ピノ・ノワール】はどんな味わいだったでしょうか?
面白いマリアージュもしてみたので、ご覧ください。
2017年フレデリック・マニャン【ピノ・ノワール】の味わいは?
- 色合いの透明度が凄く綺麗、輝きのあるルビー
- 20分で香りが爆発!
- バラまで強くなくガーベラやカーネーションのような花の香り
- クランベリー、イチゴ、ラズベリー、やや味わいにミネラル感を感じる
- 酸味は溶け込みバランスが良い
- アンズのような甘酸っぱさも感じる
とにかく、コストパフォーマンス抜群の美味しいブルゴーニュ ピノ・ノワールでした!
お花畑にワープしたような香りの華やかさと、爽やかさと赤い実の果実感が口の中で弾けます。
若さフレッシュさはあるのに、どこか大人っぽい印象を感じられる『これぞ!クラシカルなピノ・ノワール!』と思わせる1本でした。
複雑な香りや味わいというよりは、シンプルで美味しいです。
これが5年10年と熟成された時の複雑感は、きっとたまらないですね。
そして、このワインで一番驚いたのは【ミネラル感を感じられたこと】です。
これが土壌を大切にして造るって意味かな…なんて思ってしまいました。
シンプルなんだけど、奥深いフレデリック・マニャンのブルゴーニュ ピノ・ノワールをぜひ試してみて下さい。
リピート買いしたい度
私はもう1本買って、熟成させちゃう予定です。
\⇩2016年ヴィンテージだらか、もっと美味しいかも!/
面白いマリアージュ食材①カマンベールとカツオの酒盗
家に偶然あった、
- 熟成しきったトロトロのカマンベール・ド・ノルマンディー
- カツオの酒盗
を試しにワインと合わせてみました。
カマンベール・ド・ノルマンディーにカツオの酒盗をかけたら美味しいだろうと想定して、食べてみたのですが激ウマでした!これは、日本酒にも合いそうです。
ただ塩分高めなので、やや塩味が強いです。
繊細なブルゴーニュワインには合わないかなと、半信半疑でマリアージュさせてみた所。
絶対に生臭くなって、悲しい結果になると思いきや…合うじゃないですか!!
ワイン自体が繊細ですが力強く底力があるので、カマンベールや酒盗にも負けない良いマリアージュをしてくれました。
カマンベール・ド・ノルマンディーのミルキーさと、酒盗のコクとクセがワインのミネラル感と深みのあるフレッシュ感にとても良く合いました。
酸味が消え、ワインが甘くなりますよ!
でも、臭みが出ないのには驚きました。
ちょっと違いますが、エポワスがブルゴーニュ地方のピノ・ノワールに合う感覚に少し近いかもしれません。
そして、そこに更にオリーブオイルをかけてみると、オリーブオイルの爽やかさが出てスッキリした味わいになります。
これまた、最高のマリアージュ。
ワインに爽やかさもプラスされて、美味しさ倍増です!
他のブルゴーニュ地方のピノ・ノワールでも、ジュヴレ・シャンベルタンなどのパワフルな野性味のある味わいのあるワインなら合わせられそう。
ぜひ、お試しあれ!
面白いマリアージュ食材②梅干し
「ピノ・ノワールと梅干は合うらしい!」とTwitterで知ったので試してみました。
これまた、合いますね。
梅干の酸っぱさ度合いでマリアージュ度は変わってくると思いますが、ワインの酸味が梅干によって程良く打ち消され、ワインが甘く感じます。
私的には、食べる飲む順番は【梅干しからのワイン】がおすすめです。
ワインからの梅干だと、梅干しの酸っぱさが最後に口に残ってしまうので、少しワインがもったいない気がしました。
お家にありそうで気軽に出来るマリアージュなので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
フレデリック・マニャンのブルゴーニュ ピノ・ノワールは、早飲みでもポテンシャルが高い!
まだ若い熟成ヴィンテージ(2017年)のワインなので、飲むのに躊躇しました。
2,000円台とは言え、まだ開けるには可哀想かな…なんて思いつつキャップシールを切ってました。
まだ、2年半くらいしか熟成をしていないにも関わらずポテンシャルは凄く!美味しくて飲んだ瞬間『美味しい!』と思わず声を出してしまいました。
ブルゴーニュ ピノ・ノワールだったから早飲みしても美味しく飲めたのだとは思いますが、香りと味わいの爆発力に感動しました。
フレデリック・マニャンの他のワイン達ももっとたくさん飲んでみたいなぁ、改めて実感できた1本でした。
土壌の味わいに忠実なフレデリック・マニャンのワインを、ぜひ一度は飲んでみて下さい。
私は、ハマりましたよ!
ブルゴーニュワイン好きな方には、⇩こちらの記事もおすすめです。
マルキ・ダンジェルヴィルのレア商品ブルゴーニュ・ピノ・ノワールを飲んだ!