グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノは、似ているけど味わいがぜんぜん違う!!
イタリアのハードタイプのチーズと言えば、「グラナ・パダーノ」と「パルミジャーノ・レッジャーノ」。
見た目や、カットされたパッケージが似ているので、価格の安いグラナ・パダーノを購入される方も多いと思います。
しかし、食べ比べると全く風味が違うんですよ。
といっても、
- 見た目がほとんど一緒だし、何が違うの?
- 味わいほぼ一緒だった気が…
- どっちでも、おいしいから良いでしょ
など、上記のような意見もあると思います。
私も、チーズの勉強をするまでは、グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノを食べ比べようなんて考えもしませんでした。
しかし、食べ比べると面白い結果が!
この記事では、
- グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノが比べられる原因
- グラナ・パダーノの特徴
- パルミジャーノ・レッジャーノの特徴
- チーズプロが、2つを食べ比べたレビュー
- 2つの違いと同じところ
- おすすめの食べ方
- ワインとの合わせ方
などをチーズの資格(チーズプロフェッショナル)とソムリエを持つ、YURIが詳しくご紹介していきます。
特徴を知って、グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノを食べ比べて見ましょう!
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★ も く じ ★
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノが比べられる原因
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノは、よく間違われられたり、比べられたりします。
なぜなのでしょうか?
たとえば、
- 同じイタリア産だから
- 同じハードタイプのチーズだから
- 雰囲気似てるから
- どちらもイタリアンレストランでよく出てくるから
- 販売している形が似ているから
などが原因ではないかと、考えられます。
確かに、グラナ・パダーノもパルミジャーノ・レッジャーノもパスタやサラダに削られて盛り付けられたり、チーズの盛り合わせでかち割りカットで出てきたりなど、料理や食べ方も雰囲気が似ています。
しかし、比べて食べてみると結構味わいが違うのでびっくりされる方も多いんですよ。
以下では、2つのチーズがどんなチーズなのかを詳しく見ていきましょう。
グラナ・パダーノとは、どんなチーズ?
グラナ・パダーノは、イタリア北部で作られているナチュラルなハードタイプのチーズです。
イタリアのD.O.P.認定チーズでは、最大の生産量を誇ります!
生産地が、パルミジャーノ・レッジャーノを生産しているところ以外のパダナ平野と広いことも、影響していますよ。
牛乳から作られ、クセがなく食べやすいチーズです。
特徴としては、熟成期間が最低9ヶ月と短いこと、搾乳ごとに製造されること、発酵調整剤としてリゾチームを使用することが許可されています。
また、冬に牧草がない時期に使用される餌であるサイレージ(牧草を乳酸発酵させたもの)を夏も使用することが多いです。
基本的にサイレージは、長期熟成のチーズには使用が禁止されていますが、グラナ・パダーノはOKなんですよ。
サイレージを使用する理由は、味の安定のためや粉チーズにするためということがあるようです。
- 生産地:イタリア北部(パナダ平野)
- 乳種:牛乳
- イタリアD.O.P.チーズの生産量NO.1
- 最低熟成期間9ヶ月
- 搾乳ごとに製造
- 発酵調整剤を使用
- サイレージ通年使用可
パルミジャーノ・レッジャーノとは、どんなチーズ?
パルミジャーノ・レッジャーノは、「イタリアチーズの王様」と称される世界的に有名なハードタイプのチーズです。
旨味とコクが強い、しっかりとした味わいのチーズ。
パルミジャーノ・レッジャーノは、作り方の規定や審査などが厳しく製造されます。
たとえば、生産地が狭く、使用する牛乳を一晩置いて作り出す脱脂乳を使用したり、熟成期間が最低12ヶ月以上と、グラナ・パダーノよりこだわりが強くなります。
また、「パルメザン」という偽物が出回った事があるため、出荷までには厳しい審査があるのも特徴的ですよ。
パルミジャーノ・レッジャーノを詳しく知りたい方は、↓こちらの記事にまとめてあるのでご覧ください。
2つを食べ比べてみた!
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノを購入したので、食べ比べてみました。
左がパルミジャーノ・レッジャーノ、右がグラナ・パダーノです。
どちらも牛乳から作られるので、味わいにクセはなく食べやすかったですよ。
やはり、熟成期間が違うことが大きな差となった気がします。
グラナ・パダーノは、
あっさりした口当たりで、噛めば噛むほど旨味とミルクの甘味が出てくる印象。
ワインと寄り添うような、やさしい味わい。
パルミジャーノ・レッジャーノは、
写真でも分かると思いますが、アミノ酸の塊である白い結晶があり、ジャリッとした食感と口溶けの良さを楽しめました。
また、コクや旨味が強く、少量でも口いっぱいにミルクの味わいが楽しめましたよ。
比べて食べてみると、ワインとの相性やそれぞれの味わいの個性、食べたときの余韻の長さなどがよく分かりました。
とくに、
- さっぱりとしたクセのないワインと合わせるとき
- あっさり食べたいとき
- ほかに味の強いチーズがあるとき
などのときは、グラナ・パダーノの方がおすすめです。
また、
- しっかりした味わいのワインと合わせるとき
- チーズの旨味を存分に楽しみたいとき
- 一欠片で満足したいとき
などのときは、パルミジャーノ・レッジャーノの方がおすすめですよ。
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノの違いは?同じところは?
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノは、似ていることあり、同じところも多くあります。
以下では、同じところと違うところを比較してみました。
違いを知って食べ比べると、またさらにおいしく食べられますよ。
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノの同じところ
グラナ・パダーノ | パルミジャーノ・レッジャーノ | |
生産国(県は違う) | イタリア北部 | イタリア北部 |
乳種 | 牛乳 | 牛乳 |
タイプ | ハードタイプ | ハードタイプ |
形 | 直径35〜45cm、高さ18〜25cm | 直径35〜45cm、高さ20〜26cm |
重さ | 24〜40kg | 最低30kg |
見た目の形 | たいこ形 | たいこ形 |
上記の表は、グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノの同じところを比較してみました。
見た目や形は、ほぼ一緒の「たいこ形」ですが、多少重さや大きさが違いますね。
また、チーズにはそれぞれ規定の刻印が押されています。
これもまた、違いますよ。
丸々一個を売っているところは、滅多に見ませんが、見比べられるときは、刻印の違いなどを見てみましょう。
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノの違うところ
グラナ・パダーノ | パルミジャーノ・レッジャーノ | |
生産地 | パナダ平野(パルミジャーノ生産地以外) | モデナ県、レッジョ・エミリア県、パルマ県、ボローニャ県一部、マントヴァ県一部 |
熟成期間 | 最低9ヶ月 | 最低12ヶ月 |
製造方法 | 搾乳ごとに製造 | 搾乳後、一晩静置し、脱脂乳を造り、生乳とブレンドし製造 |
サイレージ使用 | 可 | 不可 |
発酵調整剤使用 | 可 | 不可 |
熟成中の検査 | なし | あり |
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノでは、大きく「細かな生産地」「熟成期間」「製造方法」の違いがあります。
とくに、パルミジャーノ・レッジャーノの方が、製造規定が厳しく、熟成期間も長いため、価格も上がりますよ。
製造工程の違いと熟成期間の長さで、味わいも大きく変化していきます。
グラナ・パダーノおすすめの食べ方
グラナ・パダーノは、そのまま食べてもおいしいですが、料理に使うとなお絶品になります。
グラナ・パダーノは、パルミジャーノ・レッジャーノより価格が安いですが、味わいや雰囲気は似ています。
そのため、パルミジャーノ・レッジャーノの代わりに使うのがおすすめ!
とくに、
- パスタ
- グラタン
- サラダにスライス
- ソースの隠し味に
など、チーズを使う料理をピザ用チーズより本格的に、パルミジャーノ・レッジャーノより庶民的に使えるグラナ・パダーノは適役です。
もちろん、かち割りやスライスでたべるのもおいしいですよ。
また、スライサーもちゃんとしたのを使うと全然おいしさが変わります。
私も使用してるおすすめの削り機は、こちら↓
チーズ以外でも、にんにく、生姜、レモンの皮などもきれいに削れておすすめです。しかも、洗うのも簡単だよ。
\おすすめ削り機/
パルミジャーノ・レッジャーノおすすめの食べ方
パルミジャーノ・レッジャーノは、そのままで食べたほうがおいしく食べられますよ。
料理に使うと、高価なものなのでもったいない精神であまり使えなかったり、味わいが強すぎてしまったり、素材の味よりチーズの味がたってしまってりすることも。
レストランで、シェフが作るパルミジャーノ・レッジャーノ料理を家で本格的に作るのは、やはりむずかしいです。
実はカルボナーラは、パルミジャーノ・レッジャーノをふんだんに使ったパスタ料理。
自分で作ると、チーズこんなに使うの?!という量にビックリしますよ!
パルミジャーノ・レッジャーノは、
- そのまま食べる
- サラダにスライスする
などがおすすめの食べ方です。
パルメザンナイフで、かち割りカットをすると風味をしっかり楽しめておいしく食べられますよ。
\これがあればおいしさ倍増!/
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノをワインに合わせてみよう!
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノに合わせたワインは、プラが手掛ける「ソアヴェ・クラシコ・オット」。
ソアヴェ・クラシコは、ヴェネト州のワインなのですが、やや産地は違いので相性は良かったですよ。
スッキリとしたレモンやグレープフルーツのような柑橘系の風味と、ふくよかなフローラル感、そして後味に残る少しの苦味が絶品でした。
グラナ・パダーノよりは、パルミジャーノ・レッジャーノの方が、チーズのコクとワインの爽やかさが相性が良かったです。
今回は、ソアヴェ・クラシコを合わせましたが、ほかにも相性のいいワインをご紹介しますね。
\おいしいから、試してみてね!/
グラナ・パダーノに合う相性のいいワイン
グラナ・パダーノと相性のいいワインは、
- すっきり系白ワイン
- コクのある系白ワイン
- ロゼワイン
- スパークリングワイン全般
などがおすすめです。
とくに合わせやすいのは、「コクのある系白ワイン」です。
グラナ・パダーノ自体が、ミルキーでほどよいコクがあり、噛めば噛むほどおいしくなるチーズなので、じっくり飲めるコクのある白ワインと合わせることで口の中で相乗効果でおいしくなります。
また、グラナ・パダーノと同じ産地であるエミリア・ロマーニャ州周辺のワインも相性がいいですよ。
おすすめワインは、
です。
①は、アメリカ・カルフォルニア州で造られる濃厚で旨味の詰まった白ワインです。
グラナ・パダーノの旨味をより引き出してくれますよ。
②は、イタリアの有名なスパークリングワイン!
芳醇さとスッキリな味わいのバランスが良いので、チーズとよく合います。
③は、フルーティーで爽やかなロゼスパークリングワインです。
ほんのり感じる果実味と、チーズの旨味とミルキーな味わいがよく合いますよ。
パルミジャーノ・レッジャーノに合う相性のいいワイン
パルミジャーノ・レッジャーノと相性のいいワインは、
- 爽やか系白ワイン
- ふくよか系白ワイン
- ロゼワイン
- さっぱり系赤ワイン
- コクのある赤ワイン
- 複雑な赤ワイン
- スパークリングワイン全般
などがおすすめです。
パルミジャーノ・レッジャーノは、どんなワインにも合わせやすいですが、とくにおすすめのワインは「複雑な赤ワイン」「ふくよかな白ワイン」です。
パルミジャーノ・レッジャーノは、ひと口で旨味とコクを存分に楽しめるチーズ。
したがって、複雑な赤ワインでもふくよかで余韻の長い白ワインでも、チーズがワインに負けず旨味をワインに更に溶かしてくれおいしくマリアージュします。
グラナ・パダーノ同様、エミリア・ロマーニャ州のワインとも相性が抜群です!
おすすめワインは、
です。
①は、エミリア・ロマーニャ州で造られる芳醇でふくよかな白ワインです。
オレンジのような風味で複雑さもあるので、パルミジャーノ・レッジャーノと合わせることで味わいの深みが増します。
②は、キャンティ・クラシコの最上級のランクである一本。
旨味とコク、酸味、果実味のバランスが素晴らしいサンジョヴェーゼ種で造られるワインです。極上のキャンティ・クラシコに、パルミジャーノ・レッジャーノを合わせたらほっぺが落ちること間違いなし!
③は、赤のスパークリングワイン。エミリア・ロマーニャ州で造られる有名な一本です。
フレッシュなブルーベリーやカシスなどの黒系果実味と、さわやかな酸味がチーズによく合いますよ。
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノは、食べ方を変えよう!
グラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノを食べ比べてみたくなりましたか?
どちらのチーズも雰囲気は似ています。
しかし、
- さっぱりしてクセのないグラナ・パダーノ
- コク旨味の詰まったパルミジャーノ・レッジャーノ
食べ比べると結構違いますよ。
また、料理に使うときは、グラナ・パダーノ。そのまま食べるなら、パルミジャーノ・レッジャーノ。など、食べるときのシーンによって変えてみると良いですよ。
似ているけど、大きく違う2つのチーズをじっくり味わってくださいね。
ワインと合わせると、もっとおいしく食べられますよ。
\食べ比べを実践してみよう!/
チーズ専門店でチーズを買ってみたいけど、どのように買えばいいか分からない方もいると思います。
上手にナチュラルチーズを買う方法をチーズプロが伝授していますよ。
気になる方は、↓こちらの記事もご覧ください。
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