ABCワインって聞いた事ありますか?
ハワイのABCストアのワインでは、ないですよ!
アメリカ・カリフォルニア州でワインを造っている造り手【Au Bon Climat】の頭文字を取って通称:【ABCワイン】と呼んでいます。
そのABCワインが、2010年に30周年記念として特別に作ったラベルがあります。
それが「2010年ニュイ・ブランシュ・オー・ボージュXXX(30周年)アニバーサリー」です。
偶然にも、オー・ボン・クリマのテイスティングイベントに参加したこともあり購入することが出来ました。
この記事では
- オー・ボン・クリマってどんな造り手?
- オー・ボン・クリマの銘柄ラインナップ
- ニュイ・ブランシュ・オー・ボージュXXXはどんな味わい?
- グラスを変えると味わいは変わるか実験してみた
などを、ソムリエールYURIが細かくご紹介していきます。
\今回テイスティングしたのは、2010年/
★ も く じ ★
ABCワイン【オー・ボン・クリマ】ってどんな造り手?
今回は、購入したJaluxから【Au Bon Climat】の紹介を引用させていただきました。
1982 年設立のワイナリー。「Au Bon Climat」とは、「良く露出された」という意味で、その頭文字から「ABC」の通称で親しまれています。アンリ・ジャイエ氏に師事した鬼才ジム・クレンデネンの生み出す繊細なワインは、当時では珍しいスタイルでしたが、一気に人気・注目を集めるようになりました。ワイナリーを立ち上げて間もない1989年、1990年と2年続けて、ロバート・パーカー氏より「ベストワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に選出されています。三角形のラベルは「オー・ボン・クリマ」の象徴としてあまりにも有名。世界中にファンをもち、アメリカで最も有名なワイナリーの1つとなっています。
Jaluxワインリストより引用
三角のラベルが印象的なアメリカワイン!
というイメージが私も強かったです。
アメリカワインなのに、フランス語のワイナリーというのもオシャレですよね。
そして、意外にまだ歴史が浅いワイナリーという事にも驚きました。
まだ歴史の浅いワイナリーですが、オー・ボン・クリマはアメリカワインの中で知名度だとトップ5には入ると思います。
どこで造っているの?
生産地は、アメリカ・カルフォルニア州サンタバーバラで造られます。
AU BON CLIMATの公式ホームページで、畑の様子がみれます。
広大な土地に、ブドウの木がズラッと並んでいて迫力があります。
また、山も近くにあるので冷涼な気候なんだなぁという事もよく分かります。
エノテカオンラインでは、こんなエピソードを掲載してました。
クレンデネン氏はフランスで修行していた際、あのブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエ氏に師事。ジャイエ氏のワイン造りに多大な影響を受け、テロワールを繊細に表現したワインを造るため、冷涼な気候でピノ・ノワールやシャルドネの栽培に向いているサンタ・バーバラにワイナリーを創設しました。
エノテカオンラインより引用
サンタバーバラで造り始めた理由が、あのブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエというのが凄いです。
確かに、オー・ボン・クリマのワインは他のカルフォルニアワインと違いブルゴーニュのような繊細さも感じられるワインが多いです。
サンタバーバラのテロワールをしっかり意識しつつも、アンリ・ジャイエから学んだワイン造りを取り入れて繊細に作り上げているんですね。
改めて、アンリ・ジャイエの凄さが分かるエピソードです。
評論家からも高評価を受けている、ABCワイン!
オー・ボン・クリマは、造り始めた初期から多くの賞や評価を獲得しています。
≪AU BON CLIMAT受賞歴・評価≫
- 1989年ロバート・パーカーより【世界のベストワイナリー】に選ばれる
- 1990年上記同じく、【世界のベストワイナリー】に選ばれる
- 1991年オズクラークからモダンクラシックワインの世界的なクリエイター50人の1人に選ばれる(オーナー ジム・クレンデネン氏)
- 1992年「ロサンゼルスタイム ワインメーカーオブザイヤー」に選ばれる(オーナー ジム・クレンデネン氏)
- 2001年「ワインメーカーオブザイヤー」に選ばれる(オーナー ジム・クレンデネン氏)
- 2007年ジェームズビアード財団の“Who’s Who of Food and Beverage in America.” に就任
AU BON CLIMAT公式ホームページより引用
その他でも、ワイン・スペクテーターにて「5スターワイナリー」に選ばれる実績も持っています。
ワインの評価雑誌でも、毎年高評価を連発している凄いワイナリーなのです。
ABCワインの銘柄ラインナップ
2020年5月現在、AU BON CLIMATの公式ホームページで紹介されている銘柄をご紹介します。
- Pinot Noir Lala Panzi Vineyard
- Chardonnay Bien Nacido Vineyard
- Pinot Noir Knox Alexander
- Chardonnay Runway Vineyard
- Pinot Noir “Isabelle”
- Pinot Noir “Larmes de Grappe”
- Pinot Noir Westall Vineyard
- Hildegard(Pinot Gris/Pinot Blanc/Aligoté)
- Chardonnay Los Alamos Vineyard
- Pinot Gris/Pinot Blanc
など…
他にも銘柄は多く、マグナムサイズなどの大きいボトルやアニバーサリーラベルのものなどもあります。
多過ぎて、何が何だか分からないですよね。
まとめると、【Au Bon Climat】のワインは大きく4つに分けられます。
- ブルーシリーズ
- ヒストリックヴィンヤードコレクション
- シングルヴィンヤードワイン
- サンタバーバラカウンティクラシック
①最高のキュヴェシリーズ【ブルーシリーズ】
フレンチオークの新樽率が最も高い最高級キュヴェワイン。
銘柄は、シャルドネ「Nuits-Blanches au Bouge」、Hildegard(ピノ・グリ、ピノ・ブラン、アリゴテのブレンド)、ピノ・ノワール「Knox Alexander」、ピノ・ノワール「Isabelle」の4種類です。
②ヒストリックヴィンヤードコレクション
セントラルコーストでシャルドネとピノノワールの認知度を高めた、5つの象徴的なヴィンヤードのワイン。
サンタバーバラ郡から4銘柄、サンルイスオビスポ郡から1銘柄。
③シングルヴィンヤードワイン
オー・ボン・クリマ独自のブドウの植栽方法で造っている銘柄。
銘柄は、「Runway Vineyard」「 Westall」「 Lala Panzi」などがあります。
④早飲み出来る【サンタバーバラカウンティクラシック】
他の銘柄よりは、価格も安く・熟成せずに早飲みできるワイン。
ピノ・ノワールやシャルドネはもちろんですが、「Pinot Gris/Pinot Blanc」はエレガントでとてもコストパフォーマンスが良いワインです。
実は、上記以外にも、特別なワインがあります。
「Every once in a lifetime(長い一生でたまに)で造る」と言われている、最高キュヴェの更に上をいく【超最高キュヴェ】であるPINOT NOIR LARMES DE GRAPPEです。
2020年5月現在、2001年と2005年と2016年の3ヴィンテージしか造られていません。
10年以上熟成してもなお、若々しさを感じる事が出来る凄いワインです。
値段も1万円以上古いヴィンテージだと3万以上するもの…と高級ワインですが、一度は味わってみたいですね。
\一度は飲んでみたい超最高キュヴェ/
ABCワイン【2010年ニュイ・ブランシュ・オー・ボージュXXX(30周年)アニバーサリー】はどんな味わいだった?
今回は、【2010年ニュイ・ブランシュ・オー・ボージュXXX(30周年)アニバーサリー】を飲んだ感想をご紹介します。
このワインは2014年に開催された、オー・ボン・クリマのテイスティングイベントで購入したワインです。
では、どんな味わいなのでしょうか?
そして、グラスを変えるとどう違うのか実験してみたので見てみてください。
ニュイ・ブランシュ・オー・ボージュXXXワインは、どんなワイン?
オー・ボン・クリマの【ニュイ・ブランシュ・オー・ボージュ】は、5年ごとにアニバーサリーラベルをリリースしています。
オーナーであるジム・クレンデネン氏は、ニュイ・ブランシュを2005年で製造を中止して、飲みやすい軽いスタイルのワインを造ろうとしていました。
しかし、ニュイ・ブランシュを愛しているファンのリクエストに応えて2008年から再リリースしました。
フランス語で「ニュイ・ブランシュ=眠れない夜」という名前は、カリフォルニアとブルゴーニュのスタイルの融合、トレンドを追い求める評論家達のとの衝突など、クレンデネン氏自身が様々な困難を抱えながらこのワインを生みだしたことに由来しています。また、各ヴィンテージごとに、造り手の想いを名づけているキュヴェでもあります。
エノテカオンラインより引用
調べたり、テイスティングイベントの事を思い出すと改めて【ニュイ・ブランシュ】は、ジム・クレンデネン氏にとってとても大切な銘柄なんだと感じます。
アメリカ・カルフォルニアとフランス・ブルゴーニュのスタイルが融合できるなんて、昔は想像も出来なかったです。
濃厚なアメリカ・カルフォルニアワインと爽やかなイメージのブルゴーニュワインが合わさると、こんな美味しいワインができるんだ!とビックリできる【ニュイ・ブランシュ】です。
では、どんな味わいなのか見ていきましょう。
XXXワインはどんな味わい?
では、まずテイスティングコメントをご紹介します。
- 色合いは、濃い黄金色に近い黄色
- 香りは、ハチミツ、オーク、樽、黄色い花などを感じる
- 時間が経つと、ももや熟したアンズ、熟したリンゴの味わいが広がる
- ひと口飲んで、濃い!カルフォルニアワインって感じ
- 酸味は穏やかで、甘みはほんのり。あっさりなハチミツって感じ。
- コッテリなのに、意外にさっぱりする味わい
ひと言で言うと、
『カルフォルニアらしさコッテリ感もあるのに、爽やかな酸味と華やかな香りが絶妙な美味しさ!』
オーナーであるジム・クレンデネン氏は、カリフォルニアとブルゴーニュのスタイルの融合をこのような形で実現したんだ!と感じさせるワインでした。
甘味くて濃厚な香りの中に、繊細な酸味を感じさせるワザ凄いです。
そして、もう一つ凄いのが10年も熟成を経ているのに若々しさは健在でした!
まだまだ、あと10年くらい熟成させても美味しくなるだろうな…と感じました。
カルフォルニア・シャルドネの概念を少し変える1本です。
リピートしたい度
今度買う時は、もっと熟成させたいな!
冷やし過ぎると、味わいも香りも感じられなくなります。
飲み始めたらワインクーラーなどに入れずに、温度が上がり香り・味わいが広がるのを楽しみましょう!
\カルフォルニアとブルゴーニュ融合ワイン/
グラスの大きさを変えると、どう変化するか実験!
ちょっと実験をしてみました!
ブルゴーニュグラス(横が膨らんでいるグラス)とシラーグラス(横が広がってないグラス)で飲み比べてみました。
以前、リーデルのセミナーに参加した時に体験した実験を自宅でもチャレンジしてみました。
- 香りがグラス内に溜まるので、香りを強く感じる
- 味わいは、甘みを抑えられてさっぱりと飲める
- 香りは、ブルゴーニュグラスよりは強く感じない。(グラスが長すぎて、香りが遠い…)
- 若干ある苦みを一切感じず、甘みを感じやすく飲める
- ややコッテリ感を強く感じた
こんな感じでした。
完全に、私の感覚なので…人によっては捉え方や感じ方は変わるかもしれません。
ソムリエールYURI的には、【ブルゴーニュグラス】の方が美味しく飲めました。
なぜかと言うと、
- 香りの華やかさがしっかり感じられる
- フルーティーさだけではなく、酸味もバランスよく感じられる
この2点が大きかったです。
甘み・コッテリ感をしっかり感じたい方は【ボルドーグラスやシラーグラス】で飲むのも良いと思いますよ!
\私がおすすめなのは⇩こちらのグラス/
ABCワインは、カリフォルニアらしさと繊細さを融合させた美味しいワイン
【アメリカワイン=濃厚】と思っている方も多いと思います。
私も、その一人でした。
濃いワイン好きには、たまらなく大好きなアメリカワイン。
でも、さっぱりしたワインが好きな方には重すぎる…という事もあります。
【Au Bon Climat】通称:ABCワインは、カリフォルニアの濃厚さも感じさせつつ、ブルゴーニュの繊細な味わいも感じる事の出来る凄いワインです。
まさに、カルフォルニアとブルゴーニュの融合ワインです!
ブルゴーニュワイン好きにも、ぜひ飲んでもらいたいカルフォルニアワインです。
ひと口目は、濃い…って思う方も居ると思いますが、飲むにつれで【ニュイ・ブランシュ】の美味しさに引き込まれること間違いなしです。
ぜひ、温度をあげながらゆっくり味わってください。
変化が楽しめるので、3日間かけてじっくり飲む事をおすすめします。
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